2004年4月14日 ■花束。

こんにちは、みなさま。
ひょっとしてご無沙汰なのでは?
しかしながら、ご無沙汰はいつものことでした。
こちら、ドイツのエモリミエは相変わらずの日々です。
4月になり、春になったかと思うと急に雪が降ったりの、毎年恒例のドイツのお天気模様です。
 
4月の頭から学校は、春休みに入りました。
2週間の春休みは休息の毎日のはずですが、1週間ばかりドイツ人のクラスメート同様
 
“休みだ!休みだ!”
 
と浮かれて過ごしていましたら、今になって勉強もせねばならないことに気がつく始末。
常日頃、学校の授業では脳味噌フル回転で勉強しているものの、言葉の壁と、今までの(日本での義務教育期間。要するに怠慢な態度)ツケが、1週間お勉強を休むと“えらいこっちゃ!”のエモリミエを引き起こしています。
早速勉強か!と思いきや、向かった先は、パソコンであったり、台所であったり、ベットであったりするダラダラの私。
 
それもこれも友達が、私にマンガなんか貸すから悪い!
このあいだ久しぶりに行ったミュンヘンの日本食料品店&本屋さん&真珠売場!で、文庫本1ユーロのセールやってて、そんなもん本買うにきまってるやんけ!
 
と、ひととおり他人のせいにしてみたものの、間違っても30年間、頭の“キレ”もしくは“質!”でやってこれたワケではない私は、やはり勉強する以外道はなく、この日記書き終わったら、しぶ・しぶ・しぶ・しぶ・しぶ・しぶ・・・勉強します。
 
今回の“遅れ気味(すみません。江守さんは悪くありません。私web更新係が悪いのです)”学校情報は、テーマ“花束”です。
 
花束は、お花屋さんでの基本中の基本でもある事ですが、日本の花束とドイツの花束は少し違いますね。これは皆様もご存じかと思います。
そして、お客様に受けいれられやすい花束と私たちフローリストが作りたい花束が違う!のも、事実だと私は思います。
 
私は昔、自分の友達だけに自分の好きな花束を勝手に作らせてもらっていました。
友達が花束作って!って言ってきたら、
 
“オッケー!”の一言で、
 
大きさも、色合いも、好きな花も私の一存で作りました。
そのことで苦情が出たことはありませんが、その友達からその花束を贈られた人の気持ちは、私には知る余地もありません。
ある時はダラダラとスマイラックスをたれさせたり、絡ませたり・・・、ある時は淀川堤防沿いの草メインで作ったり・・・、またある時は、グリーンメインで花をあまり入れなかったり・・・。グリーンメインの花束では、その当時の彼氏の取引先の受付嬢の方に渡すモノだったのですが、
 
“何これ、野菜みたい!八百屋ちゃうねんぞ!”と彼が言うのも、まるで無視で、
 
“絶対イケてるから!これしか、もう花束つくられへん”と言って、強引に買わせました。
 
そんな私の花束ですが、ドイツに来てからも基本姿勢は変わっておりません。
このあいだも、彼のお姉さんに花をプレゼントしました。
花はフレンチチューリップの八重咲きタイプです。
このチューリップ、茎が長くてフレンチチューリップのきれいなラインが出てはいるのですが、八重咲きの花が重たくて、ほっとんどまっすぐ(もしくは上に)立ち上がることがありません。ずーーーーーーーーーーーーっと、首を垂れているのです。
だけど、私はこのきれいな、まだ珍しいチューリップを見せたくてプレゼントしました。
まぁ、今回の場合、彼&お兄さんの男組は、
 
“ミエがランプみたいな花を持ってきた”
 
と少々失礼なことを言ってましたが、肝心のお姉さんは、
 
“すごくキレイ!”
 
と言ってくれ、私も一安心。
 
いい加減、独りよがりを辞めようかと思いつつも、
 
「どーせ100人が100人とも“これが好き!”なんて言う花束なんてないねんから、このままでもいいんちゃうの?」
 
と先日の学校の授業でも、一輪の水仙以外は草ボーボーで攻めてみました!
シュテフィー(クラスメート)だけが、
“ミーの花束キレイ!”と言ってくれたので、私はそれだけで満足しちゃいましたが果たしてそれでいいのか・・・。
 
その花束の授業の作品を写真に納めましたのでごらんください。
まー花束ゆうても、奥が深いモンですね。
クラスのみんな、それぞれの個性がありました。
いくつかの作品は、
 
“この枝どこまでつづいてんの!?”で、写真枠にすら収められませんでした。
ドイツに来て、やっと私のスマイラックス垂れ下がり花束も、“普通やん”と思える今日この頃です。
 
学校で習う花束の重要なテクニックは、まず
 
●組み方
“スパイラル状”に組むか“パラレル状”に組むか。
 
●プロポーション
結び目から上の花の部分と下の茎の部分(ちなみに基本は2対1)。花束の大きさに対して使っている花のバランス関係(例えば\1000分のボリュームがある花束のど真ん中に、でかい一輪のカサブランカが入っている・・・とか。すんません、わかりにくいッスか・・・)。
 
●フォーム
シンメトリーかアシンメトリーか。
 
●その他
結び目がしっかりしているか?
花束を花瓶に入れた際、全ての茎が水につかるよう茎がだいたいの長さでそろっているか?などなどです。
 
私には、いろんな可能性があり、個人のオリジナリティが出やすい“花束”が好きな仕事のひとつであったりします。
単純なモノだけにこの奥の深さ。
いつになったら、大満足の花束ができるのでしょうかね・・・。
それではまた。近いうちに・・・。
エモリミエ
 


2004年4月25日 ■クラスメート。

ハロー、なかなか気分の良いエモリさん。
ドイツもいよいよ春満開です。
どこもかしこも、木ーも草ーもどの人も花をつけだして、本当にキレイ。
ドイツの春は日本よりも楽しめると私は思いますね。
 
さて、今回は短めに、クラスメートについて書いてみたいと思います。
 
私たちはのクラスは入学当初、男1名、女20名の合計21名でスタートしました。
平均年齢は出したことないけど、たぶん24~6歳でしょうかね。
エモリさんは余裕で平均こえてまっさ。
 
でも今は20人です。
かれこれ、もう1月の話になりますが(またか)、1人やめました。
彼女の名はマリオン。かなり個性的な32歳でしたが、あまり仲良くなることもできないまま、去っていっちゃいました。本当に残念です。
 
最初私は彼女の個性に圧倒されたおしでした。
彼女はすでにフリーのフロリストとして仕事もこなし、様々な競技会的なモノにも参加したりで、学校に入る前から“ばりばり”でした。
ある実技の授業で、“木の板を使って、アレンジする”という課題がありました。
彼女以外のみんなは木の板を使ってこぢんまり作ったあと、学校の棚や廊下に飾っていましたが、マリオンのだけが見あたらない。
“ずーーーーーーーーーーとっ”なんでやろーと悩んでたのは、私ともうひとりのクラスメート。
私たちは授業のあと、それぞれの作品について作成者の説明を聞きながらディスカッションを行います。
その時に初めてマリオン作品が、展示場所が明らかに!
そこは、なんと・・・隣の建物内でした。
学校のすぐ隣に建築業者の建物があって、もちろん学校とつながりがなくはないけど、そこのフロアのテーブルの上に飾られているマリオン作品。
 
その時私は、
“なかなかおもしろいかも・・・”と密かにほくそ笑んだのでした。
 
しかし、去年学校が始まってから二月までは本当にこれっぽっちの余裕もなく、元気もなく、プライベートでは、「一位寝ること。二位マンガ読むこと。三位ベットでごろごろすること」な生活だったので、仲良くなるきっかけや学校以外で会うこともなく時間だけが過ぎていきました。
 
そしてある時学校で、またもや彼女は、私を“ほくそ笑み”、どころか“爆笑”にまで誘ってくれました。
 
あれは、ある授業中にモニカ(クラスメート)の携帯電話が鳴ったときです(注:教室内、授業中は絶対に携帯禁止)。
 
その授業は何か忘れたけど、半分自習のようなそうでないような、みんなコンピューター室にいったり、本探して読んでたり、スケッチしてたりと、そんな感じでした。
モニカはその時自分の席にいなくて、主のいない携帯電話はその場で鳴り続けていました。
 
そのとき、ちょうどそばにいたマリオンが、勝手に電話をとり、
 
「ハイ、こんにちは。こちらドイツテレコムサービスセンターです。お客様のご用件をお願いします」
 
と一言。そのあと、約30秒くらい電話のやりとりをしたあと、
 
「それでは、さようなら」
 
と、電話を切っているではありませんか!
 
“あんたの電話ちゃうやん!”とか思いながらも、声を出さずに電話の最中笑っていた私。
マリオンは電話を切ったあと、
 
「聞ーて、聞ーて!電話の相手な、『えッ、ゾマーアウアーさんに繋がってないですか?』って言うから、『違います!ドイツテレコムサービスセンターです』って言うといた!」
 
とみんなに約30秒間の電話でのやりとりを説明していました。
私はもう、その時声を出して大爆笑。
 
「それ、やりすぎやけど、めっちゃおもろーーーーーい!」
 
私があまりにも爆笑しているので、私の隣のシュテフィーは、“そんな、あんたがおもろいわ”みたいな感じで笑ってましたけどね。
 
その日私は、“絶対マリオンと仲良くなってやる!”と思ったのです。
 
しかし、その一週間後くらいに二~三日前から、マリオン学校来てないなーと思ってたら、校長先生から、“マリオンは、学校を自主退学しました”との報告が・・・あー残念。
まぁ、辞めた理由はいろいろあるみたいですけど、マリオンの未来に幸あれ。
 
なので、今、クラスメートは20人です。
 
では、また。