2003年7月22日 ■初。アシスタントのお仕事・・・

こんにちは。みなさま。
長らくご無沙汰しております。
さて今回も、久々の日記となってしまい申し訳ない・・・。
このあいだ、ミュンヘンでお世話になっている方のお家へ伺ったところ、
 
「美絵さんのHPアドレス教えてくれない? ミュンヘンの日本人会(そういうものがあるのです)に、問い合わせがあったりで好評らしいじゃない?!」
 
“う~ん、初耳!”
 
私のところにはいっさい問い合わせなんぞこないのに。
なんでやねん・・・。
 
もしかして私「怖がられてる? 変な奴と思われてる?」日記内容から人格・性格なんか判断されちゃったりで、なんか、なんか・・・。
読者の皆様、私はいたって普通のニッポンジンでございます。
だけどやっぱり、人を笑わせてなんぼやもんね!
このあいだは関西出身の友達もメールで同じ事言っていました!!
やっぱりね。阪神万歳!
 
まぁ~この日記も久々なので、もっとアホなことでも書こうかと思いましたが、最近出歩かないのでネタ切れです。
 
前回の日記で今月(7月)はどか~んといきまっせ!と書いたはず・・・ですが、その“どか~~~ん”というのは、私の初アシスタントのお仕事のことでした。
ドイツでは、いくつかの「花メッセ!」や「花大会!デモンストレーション」等々がある(日本にもあるけど・・・)のですが、その中でもドイツでの知名度ナンバー1ではないかと思う、フローリストの為の大会に“アシスタント”として参加して参りました。
その名も「Silberne Rose 2003!!(シルバーネ・ローゼ:銀のバラ)」です。
これは、ゆうてみれば地区予選で、この大会の優勝者はドイツ全国大会である「Goldene Rose(金のバラ)」へ参加でき、そこで優勝するとその年のドイツの顔です!
たぶん(失礼・・・)日本でも有名なオリバー・シュトルツさんやモニカ・ニーランドさん達も過去この大会で優勝しています。
そういった人たちは、ヨーロッパ大会やさらには世界大会にも参加でき一躍有名人に!
 
さて、私はしがないアシスタントですが、これもいい経験!
参加者ではわからないであろう、裏のことまでわかったり(ほんまかいな)で、なかなか楽しく、そしてかなり疲れた一日となりました。
 
今回、この大会のテーマは「Schwarze Orchidee(黒の蘭)」です。
どーいうわけだかエモリミエは企画者ではないので、このテーマの本当の主旨は謎ですが・・・。
最後の作品展示会の為のデコレーション(企画者側の)に“黒スプレーで色づけされた胡蝶蘭”が飾られ、それを見て思わず“ゲッ”と1メートルあとずさりした私。
また、この胡蝶蘭が汚いのなんの!写真撮ればよかったな。
 
“だれか、テーマの主旨を教えてくれ!”
 
と、いっても誰も教えてくれないので、勝手にエモリ想像的解釈で書きますと、
 
“ミステリアス”“謎めいた”“まる秘”“どっきり大賞!!”
 
みたいなものかな?
 
大会の大まかな課題は以下の通りで、
 
* 蘭を使った寄せ植え
* 室内デコレーション
* とっておきの“まる秘”課題
(これは参加者が当日になって知る課題。材料、その他すべて企画者が用意し、みんな同材料のもと競われます。今回は様々な植物を使った寄せ植え)
* 花束
* ブーケ
 
の5つです。
 
“まる秘”以外は、材料、道具、すべてすべて参加者持ち込みで、室内装飾に山盛りのフルーツを飾る人有り、マメ・ナッツなどなど乾物使う人有り etc.。
 
私は最初、
 
「あ~っ、なになにあれ、あんないっぱいアプリコットに、木イチゴ運び込んでる! 私たちへのデザートかしら???」
 
と期待に胸を膨らましましたが、それらはなんと、すべてデコレーション用。
なんじゃそれ!と思ったので、出来上がりの作品の前で「けっ、あんたとこは、くだもの屋さんか!」とか「この乾物屋さんめ!」とブチブチ言ってしまいました。
ああ、おはずかしい・・・。
 
しかし、それがドイツです!
 
“フルーツ・乾物なんでもこい!それらを花々と組み合わせて、素敵な作品をつくるの!”
 
あたりまえですがフルーツもナッツも全部植物の実ですからね。
 
さて、期待されるであろうお写真のほうも送ります。
が、まずは言い訳から。
なんだかんだいってもアシスタント。
写真を撮る時間などなかったのが事実。
最初の課題「蘭の寄せ植え」を撮るのみで、あとは友達に「撮っておいてね!後で画像ちょうだいね!!」と頼み、実はそのときカメラの電池もなくなってきていた・・・(特派員失格!)。
 
尚、そのお友達は現在ニッポン帰省中なので、彼女が帰って来しだい画像を頂き、続きをまた送ります。
それまでは、蘭の寄せ植えだけでご勘弁を。
 
でも、一口に蘭の寄せ植えといっても、9人の参加者それぞれに個性有りでおもしろいですね。
ある一人の方は忠実にテーマ(黒の蘭)を守り、黒と蘭のパフィオペディルムを使ってはりました。
空中に浮かんでるような作品では、釣り糸みたいなので器をつり下げ、蘭を植え込んでいます。
そのほかは、蘭の根っこで器をつくってみたりなどなど・・・。
器、使う材料、植生などのすべてをトータルにメインの蘭にあわせていくのです。
これは、私が前の学校で大好きだった実技の先生にもいっつも言われていました。
「蘭の寄せ植えにバラとかが入ってはいけない。自然のなかで、蘭の咲いているところにバラは生えてないし、バラも蘭もそれだけで主役になる役目の花達だから」と。
そういうこと、私が日本にいたときは、あまり考えてなかったなぁ・・・。
こういった“植生”が、今後私がもっと勉強したいと思うテーマです。奥深いけど・・・。
なので、みんなだいたい「蘭+シダ植物、コケ系、熱帯植物などなど」を合わせていました。
 
しかし、まぁ、アシスタントは使われびとでして、花束とブーケのコンテストはステージ上で行われたのですが、それが済むと今度はできあがった作品を展示会場へせっせと運ぶのでした。
会場は書き忘れてましたが「アウグスブルク(ミュンヘンから60kmほど西)」の劇場を借りきっており、劇場などというものは“赤い絨毯がびろ~~~ん”と引いてあり、その上はもちろん“汚すな!”と前もって言われており、エレベータなどなく、階段を上っては降り、トイレまで水をくみに行っては途中でぽたぽたこぼし“逃げろ~~!”みたいな。
私が運ばなければいけなかった花束は、鉄製の花台までセットになっており、
 
“こんなん、一人でしかも10分だかで、はこべまっかいな!”
 
だったので、企画の人に、
 
「すいませ~ん、一人では到底無理ですので、誰か助けてくださ~い!」
 
と言ったところ、
 
「あ~、じゃあね、もう一人、そういう子がいてるから、彼女と協力して2人で運んでね」
 
と、と企画の人。
それを聞いて、
 
“えっ、彼女って? どー考えても重いもん、女2人に運ばせるんかい! 私は男手が必要なんじゃ! ステージ裏にうようよ暇そうな男性おるのに!”
 
と、言いたかったけど彼女が、
 
「そうね。そうしましょ」
 
と言うモンだから、結局私も
 
「そうだね」
 
と。
しかし、彼女側の花器が重かったこと!あれにはびっくり!
腕力にはそこそこ自信あるけど、途中でもてなくなって、彼女に「ごめ~ん、もう限界だわ」と言って、交代。
彼女も真っ赤な顔して“うぅ~~~~~”と言いながら運んでました。
翌日、腕筋肉痛。
 
そんな、午前6時から翌午前1時までの世界。
しんどかったけど、なかなかおもろい体験でした。
次は参加者になりましょう・・・。
 
ちなみに優勝者は23歳だかの女の子!
次の大会も頑張って欲しいものです。
 
彼女の蘭の寄せ植えはなんと“100点満点”で、上かぶら下がったココナッツの実の中に蘭を植えたものです。
写真はアップでも送りました。キレイでしたよ。
 
では、また、次回。今度も画像つきで!

 

2003年7月26日 ■ミュリアムの未来!

今回は、私の“あなたに会えてよかった”状態(どんな状態?!)の大親友、ミュリアムについてです。
 
彼女については、何度かこの日記でも書いてきましたが、突然の一度限りの出会いがその後、
 
“クラスメート、友達、同居人、そして大親友”
 
にまでなった、本当に運命的なものを感じる大好きなドイツ人です。
 
本当は彼女、私と一緒の卒業試験だったのですが、いろんな都合があって、できなくなり半年間先に延びたのでした。
7月23日はそんな彼女の卒業試験日で、私は張り切って彼女の好きな“おにぎり”を持って応援にいきました。
 
彼女の笑顔と作品と花束(ピンクのスプレーバラと木イチゴの葉の花束)の写真を送ります。
そして、彼女に無断で掲載しちゃってください!!!
 
普段あまり、人のことやど~のこ~ので泣くエモリさんではありませんが、彼女のこの日にいたっては、私も泣いてもいいくらい嬉しく、本当に“おめでとう!!!”って感じでした(彼女は本当にいろいろあったのです・・・)。
 
この私の気持ちをど~伝えようかと、さんざん悩んだあげく、結局
 
“バンザ~~~イ!”
 
と両手をあげときました。
もちろん、周りのドイツ人は、
 
“おまえ何やってんねん?”
 
状態でしたが、ムシムシ。そんなん、無視無視。
 
その“バンザ~~イ!”ミュリアムがかなり気に入ったらしく、それ以降よく“バンザ~イ!”て言うてます。
たまに使い方ちゃうやん!てこと、あるけど、まぁいっか!
私も“バンザ~~~イ!”て一緒にゆうてます。
 
その彼女、これから何をするのかと申しますと、なんと
 
“自分の花屋さんオープーーーーーーーーン!!!”
 
です。
そして、私はちょくちょくそこで働く事になっており、おもしろくなりそうです。
彼女とともに、いろんな事ができると本当に楽しいだろうな・・・と思います。
彼女、見ての通りパワフルだし、行動力抜群やし、(関西人のように)しゃべりもうまい!
 
彼女の未来に乾杯です!!!
 
さて、そのほか数枚の写真も送りました。
今回の卒業試験の課題は「花束、リース型(Kranz-クランツ)のアレンジ、寄せ植え、テーマアルバイト」の4つで、テーマアルバイトの1つ、テーブルデコレーションのテーマは「誕生日パーティー、大きなリンゴの木がある庭でのガーデンパーティー」と言うことだそうです。
私の時は「ロマンティックな銀婚式用のテーブルデコレーション」でした。
冬と夏では花材も全然違うから、作品の感じも違うはずです。
改めて写真を見ると、ほとんど草っぽいのを使ってきますよね。
私は冬でも“枯れ草”メインでいってましたけど・・・。
私の中で草は、年がら年中愛すべき花材の人です。
草花粉症なくせに・・・。
 
作品の中には「ワイヤーを飾りにいれた寄せ植え」や「ガラスをどーにかなんだかして、ま~るく切り抜き、その中に花を活けてた人」、「ツルの中に巻き込んだ試験官に水を入れて花を活ける人」、「プラスチックのヨーグルトかなんかの空き容器にオアシスをいれ花を活ける人」、「テーブルの足まで、コケをグルグル巻きにする人」などなどなど、アイデア満載で、手作り満載でした。
 
では、また。